皆さん、突然ですが我々人間は一日24時間の間にどのくらい上の歯と下の歯を接触させているかご存知ですか?お食事の時のみならず、何かと気が付けば歯をカチカチ合わせていたり食いしばったりしている人も多いのではないでしょうか?実は人間はリラックスして安静にしている場合、上下の歯は接触していないのが普通なのです。ということで冒頭の質問の答えは「平均20分程度」です。「え~?そんなに少ないの~?」とビックリしませんか?もっと噛んでいるイメージですよね?
近年、歯科の分野ではTCHという言葉が頻繁に取りあげられるようになりました。TCHとは、”Tooth Contacting Habit”(歯列接触癖)の略で上下の歯を接触させる癖のことです。そもそも、歯を接触させるとなぜいけないのでしょう?上下の歯の接触時間が長くなると、筋肉の緊張や疲労、顎関節への負担が増え、起床時症状(顎の疲労感,歯の違和感,口が開きにくいなど)や顎関節症など様々な不定愁訴に関わっている可能性が考えられています。では改善するにはそうすればよいのでしょうか?TCHはテレビを見ている時や長時間パソコンをしている時などに無意識に起こりやすいので、テレビやパソコンの隅に何らかのシールや写真などを貼っておき、それを 見たら上下の歯が接触していないかどうかを確認し、もし接触していたら離すということを繰り返すという方法があります(リマインダー)。ただし、TCHを意識しすぎるとそれがかえって疲労感を作ってしまうこともありますので、四六時中TCHを意識して生活するのではなく、リマインダーを見たりTCHにふと気づいた時に歯を離すようにすることが推奨されています。
ご自身でも思い当たる節があれば歯科医院で相談されてはいかがでしょうか?